歯石の除去が大事なのはなぜ?

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歯科での虫歯治療の際、歯石をとってもらった経験のある人も多いでしょう。なんとなくしてもらっているかもしれませんが、実は予防歯科として歯石を除去するためのメニューが用意されているくらい大切なものなのです。歯科衛生士を目指す上で、歯石についてはしっかり知っておく必要があります。では、歯石について説明していきます。

歯の健康を及ぼす歯石

・歯石とは?

そもそも歯石とは、細菌が多く含まれている歯垢が石のように硬くなったもののこと。歯垢を放っておくと2~3日で石灰化を起こし、歯石に変わります。歯の表面を舌で触ったときにでこぼこした感覚があれば歯石と考えていいでしょう。表面がでこぼこしているとさらに細菌がつきやすくなり、虫歯や歯周病が進行する…という悪循環が起きてしまいます。そこで歯科では、超音波による振動で歯石を砕いたり、歯茎を切開して歯周ポケットに入り込んでしまった歯石をとったりと、さまざまな方法で歯石をとってくれます。

この歯石をとると、虫歯や歯周病の予防になりますし、すでに歯周病が進行している場合でも治療がスムーズになります。歯石をとらないと歯茎の炎症が続き、赤くはれて出血が続いてしまうこともあるのです。歯茎のはれが引くと虫歯の範囲も分かりやすくなり、きちんとした治療ができるといったメリットもあります。

・歯石を取るために費用

歯科で歯石をとる場合には、基本的に保険が適用されます。費用は3,000~4,000円くらいです。この費用には、虫歯や歯周病の検査、口内のレントゲンを撮る検査なども含まれているのが一般的。歯石が多くたまっていると何度か通院する必要があるため、その分だけ費用がプラスされると考えておいてください。

施術中、「歯が削れているのでは?」「甲高い機械の音がどうしても苦手」など不安に感じる方も多くいます。そのため、歯科衛生士はいくつもの専用器具を使い、傷みを最小限に抑えながら安全に行う必要があります。訪れた患者さんに安心してもらえるような治療を心がけましょう。歯科衛生士というのは国家資格。こちらの学校のような歯科衛生士専門の学校を卒業していないとなることができません。

歯科衛生士の目指し方

では、歯科衛生士のなり方について詳しく解説していきます。上記で少し登場しましたが、歯科衛生士になるには、歯科衛生士の国家試験受験資格を得られる学校に通う必要があります。

国家試験の受験資格が得られる学校は、歯科衛生士養成機関に認定されている、専門学校や短大、大学です。これらの学校に3年以上通い、勉強しなければ受験資格は得られません。基本的に、専門学校、短大は3年、大学は4年間となっています。稀に、専門学校でも3年以上通学する場合もあります。

そのため、最短で歯科衛生士を目指すなら、専門学校か短大がベスト。ただし、短大は数が少なくなってきているため、専門学校を目指すのが良いでしょう。

歯科衛生士の国家試験

歯科衛生士の国家試験はマークシート方式で、丸一日かけて行われます。合計で220問解く必要があります。内容は、歯科衛生や口腔保健に関する知識が求められる問題です。例えば、「歯・口腔の構造と成り立ち」や「臨床歯科医学」など。歯科に関わることだけでなく、人体の構造に関する問題も課されます。

そのため、幅広い知識を身につけなければなりません。3年間で身につくの?と不安になる方もいるかもしれませんが、専門学校なら、3年間みっちり歯科衛生士に必要な勉強を集中してできます。大学の場合、一般教養などもカリキュラムに組み込まれているので、歯科衛生士に必要な勉強だけをする、というわけにはいきません。専門学校は、実践的な学びの中で知識と技術を学べるので、確かな力が身につきます。

ちなみに、合格率はそこまで低くなく、95%前後を推移しています。とはいっても、勉強せずに臨めば痛い目に合うので、しっかり対策を行っておきましょう。

歯科衛生士の就職先

歯科衛生士の国家試験に合格し、晴れて歯科衛生士の資格を獲得したら、次は就職です。就職先は、大半がデンタルクリニックとなります。稀に、介護施設や歯科衛生士養成学校の教員になる方もいます。社会が高齢化し、介護施設が増えているため、そういった施設に所属する方も、今後増えていくことが見込まれています。

そのため、必ずしもデンタルクリニックで働く必要はありません。勉強しながら、自分の働き方についても考えてみてくださいね。

歯周病が悪化すると歯が抜けてしまい、食生活や会話に支障が出てしまいます。また、糖尿病や肺炎などの原因になるとも言われています。口内だけではなく、全身に悪影響をもたらすことがあるのです。歯科衛生士は、歯石を取りに来た方々に処置をするだけでなく、口の中を健康に保つためのアドバイスなどを行います。口の健康は全身の健康に影響を及ぼすものですから、ぜひ歯科衛生士として活躍して、歯の大切さを多くの方に伝えてくださいね。